園芸学会雑誌
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種間交雑による新観賞用ネギ類の創出に関する研究 I. 市販観賞用ネギ類の鹿児島の気候に対する適応性評価
ジョセフ ドゥブゼ有隅 健一衛藤 威臣松尾 英輔坂田 祐介
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1992 年 61 巻 3 号 p. 659-664

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抄録
日本における観賞用ネギ類の栽培は中部以北の比較的寒冷地に限られている. 著者らは, 暖地におけるそれらの育種を行うため, 1990年10月から1991年5月にかけて, 観賞用ネギ類10種 (A. aflatunense 'Purple Sensation', A. albopilosum, A. cowanii, A. elatum, A. giganteum, A. moly, A. neapolitanum, A. oreophilum var. ostrowskianum, A. roseum および A. stipitatum) を栽培し, 鹿児島の気候に対する適応性を調査した.
供試した中で, A. cowanii, A. neapolitanumおよび、A. roseumは秋出葉型であり, 残りは春出葉型であった. A. elatum, A. oreophilum var. ostrowskianumおよびA. stipitatumは開花に至らなかった. また開花したものについても, 自家あるいは種間交配で正常な種子を得ることはできなかった.
A. cowanii, A. giganteum, A. neapolitanumおよび、A. roseumを除いて, 一般に顕著な生育障害が認められ, 掘上げ時の球根は植え付け時よりも小さくなった.またA. albopilosumおよびA. giganteumでは, 大きい球根あるいは大きいクローブほど遅く出葉し, 開花も遅くなった. しかし, 球根数, 全球根重, 平均球根重については, たね球の大きさの影響は認められず,いずれのたね球よりもわずかではあるが増大した.
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