農業農村工学会論文集
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多時期の衛星データと水田区画データを用いた荒廃農地調査の踏査対象田のスクリーニング手法
福本 昌人吉迫 宏
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2014 年 82 巻 5 号 p. 339-346

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抄録

荒廃農地調査の踏査の省力化に資するため, 多時期の衛星データと水田区画データ(GISポリゴンデータ)を用いて, NDVIの区画平均値に基づいて区画単位で荒廃している可能性のある水田を抽出する手法, すなわち踏査対象田のスクリーニング手法を提案した.茨城県の稲敷市と筑西市を対象として, 5月, 7月および8月のRapidEye衛星データ(一部, ALOS衛星データ)と水田区画データを用いてその荒廃可能性水田の抽出を行ったところ, スクリーニング効率(荒廃可能性水田に占める荒廃水田の枚数割合)は稲敷Aエリアが89%, 稲敷Bエリアが74%, 筑西エリアが47%であった.筑西エリアでスクリーニング効率がやや低かった原因は, 麦(冬作)の収穫後に夏作物の作付けが行われなかった水田が多く, それらの一部が夏季に雑草が繁茂した状態になっていたためであった.

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© 2014 公益社団法人 農業農村工学会
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