園芸学会雑誌
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ペルオキシダーゼのクロロフィル分解に及ぼすフェノール化合物の効果
山内 直樹Alley E. Watada
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1994 年 63 巻 2 号 p. 439-444

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抄録
市販ペルオキシダーゼのクロロフィル分解に及ぼす葉菜類からのエタノール抽出物ならびにフェノール化合物の効果についてIn vitroで検討した.
このモデル実験においてクロロフィルの分解程度は使用した葉菜類の抽出物によって差異があり, パセリーとミッバでは, シュンギクの70倍および60倍の分解が認められた. 市販ペルオキシダーゼのクロロフィル分解に及ぼすフェノール化合物の影響について調べたところ, アピゲニン (フラボン), アピゲトリン(アピゲニン配糖体), ナリンゲニン (フラバノン),p-クマール酸 (モノフェール) およびレゾルシノール(m-ジフェノール) で顕著な分解がみられた. これらの結果から, ペルオキシダーゼー過酸化水素系によるクロロフィルの分解程度はフェノール化合物の種類により異なり, 特に水酸基をパラの位置に持つフェノール化合物がクロロフィルの分解に関与していることが認められた.
p-クマール酸を使用し, 市販のペルオキシダーゼによるクロロフィル分解過程についてHPLCを用い検討したところ, 10-ハイドロキシクロロフィルa (クロロフィルa-1) がクロロフィル分解物として検出された. しかしながら, クロロフィルaの顕著な分解にもかかわらず, a-1の生成は少量であった. 以上のことから, ペルオキシダーゼによるクロロフィルの分解は,クロロフィルオキシダーゼおよびリポキシゲナーゼの場合とは異なり, 中間体としてクロロフィルa-1をほとんど蓄積することなしに無色の物質に分解されるものと推察した.
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