園芸学会雑誌
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リンゴ'つがる'の後期落果および貯蔵中の果実品質に及ほすアミノエトキシビニルグリシン (AVG) ならびに2,4-DPの影響
近藤 悟早田 保義
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1995 年 64 巻 2 号 p. 275-281

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抄録
アミノエトキシビニルグリシン (AVG) の収穫前の処理がリンゴ'つがる'の後期落果および内生エチレン濃度, 1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸(ACC) 含量, ACC酸化酵素活性およびアブシジン酸(ABA) 含量ならびに果実品質に及ぼす影響について,現在, 後期落果防止剤として使用されている2,4-DPと比較検討した.
1.90ppmおよび180ppmAVG溶液を満開後96日および109日に, 45ppm2,4-DP溶液を満開後96日に, それぞれ樹体全体に散布した. 無処理区の落果率が32.1%を示したのに対して, 2,4-DP処理区では1.3%, AVG処理区では1.9~6.7%の落果率で,後期落果を著しく抑制した.
2.内生エチレン濃度, 果皮や果肉中のACC含量とも, 無処理区に比較し2,4-DP処理区で多く,AVG処理区で少なかった. 2,4-DP処理区, 無処理区の内生エチレン濃度は貯蔵後60日に最も高まり,一方, AVG処理区では貯蔵後120日まで徐々に上昇した. 2,4-DP処理区, 無処理区のACC含量は貯蔵後20日に最も多くなり, 以降は減少した. 一方,AVG処理区ではごくわずかに増加したのみであった.各処理区のACC酸化酵素活性は貯蔵後20日以降徐々に増加した. これらより, 1°C下での内生エチレンの生成速度には, ACC含量に加えACC酸化酵素活性が深く関連したと考えられた.
2,4-DP処理区, 無処理区のABA含量は貯蔵後20日に最も多くなり, 以降は減少した. このような推移は内生エチレン濃度よりはむしろACC含量と類似していた.
3.AVG処理は, 貯蔵後の地色の黄色化, 硬度の低下を抑制し, 貯蔵性を向上させることが確認された.
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