園芸学会雑誌
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植物生長調節剤の散布がポンカン (Citrus reticulata Blanco) の葉中炭水化物組成に及ぼす影響
マター メベロ冨永 茂人小崎 格
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1997 年 66 巻 2 号 p. 245-251

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抄録
3種類の植物生長調節剤, GA, 2,4-D, CPPUを単用および混用でポンカンに散布した場合の葉中の炭水化物組成に及ぼす影響について,特に散布時期との関係に注目して調査した.
散布濃度はGAを200 ppm, 2,4-Dを10 ppm,CPPUを20 ppmとし, 散布時期は満開日と満開後30日とした.
その結果, GAの満開30日後散布では処理後60日以降に葉汁液中の還元糖 (果糖とブドウ糖) に比較してショ糖の割合が増加し, 処理後120日に葉中の澱粉含量が減少した. GAの2回散布は葉中の炭水化物組成に影響しなかった. 2,4-Dの散布では葉中の糖組成はほとんど変化しなかったが, 結実率は僅かに減少した. CPPUの散布は, 単用および他剤との混用散布とも葉中の総糖含量を増加させたが, 結実率を減少させ, 葉のクロロシスと大幅な落葉を引き起こした.
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