抄録
多雌花性のスイカを幼苗期に選抜するために、STS(チオ硫酸銀)を利用した簡易な検定法を検討した.1) 子葉展開期、本葉1枚展開期に3∿6mMのSTSを葉面散布(約2ml/株)することにより、第1雌花着生節位が無処理区よりも低下した.子葉展開期での処理がより効果が高く、無処理区に比べ平均約2節低下し、その結果第1雌花着生節位の低い系統では4節位から雌花が着生した。雌花着生数の多い品種ほどSTS処理によって第1雌花着生節位が下がる傾向が認められた。2) 雌花着生数の多い品種と少ない品種のF2集団においても、STS処理後の第1雌花着生節位の低い個体ほど雌花着生数の多い傾向が認められた。STS処理されたF2集団から第1雌花着生節位の低い個体と高い個体を選抜して、それらのF3世代における雌花着生数を調査したところ、第1雌花着生節位の低い個体の後代は高い個体の後代よりも雌花着生数が多くなり、第1雌花着生節位による選抜効果が認められた。以上の結果から、子葉期にSTSを処理することによって、定植適期(本葉5∿6枚)までに多雌花性個体を選抜することが可能であった.また、本手法により、従来定植後に判断していた多雌花性個体の選抜が育苗段階で可能となり、育種効率の向上に大きく寄与すると考えられた.