抄録
傷害を与えたカボチャの果肉組織を用いて, トロポロンとヒノキチオールがエチレン生成, ACC含量, 試験管内でのACC合成酵素およびACC酸化酵素活性に及ぼす影響について実験をした.1 ppmから500 ppmの濃度で処理したところ, トロポロンでは対照区に比べてエチレン生成が33%∿98%抑制され, ACC含量が48%∿83%減少した.一方, ヒノキチオールではエチレン生成で17%∿97%の抑制と, ACC含量で34%∿83%の減少が見られた.両方の化学物質ともACC合成酵素とACC酸化酵素の両者の活性を阻害することによってエチレン生成を抑制していることが分かった.