抄録
隔年結果性の強いリンゴ'ふじ'および隔年結果性の弱い'王林'を供試し, 開花とインドール酢酸(IAA)との関連を検討した.満開後28日から108日まで'ふじ'の種子中のIAA濃度は'王林'に比べ高かった.種子のIAA濃度のピーク時期は'ふじ'に比べ'王林'で遅かった.両品種で, 満開後55日以降, 着果区の果台のIAA濃度は無着果区より高かった.'ふじ'で, 種子と果台のIAA濃度のピーク時期は満開後77日前後であり, リンゴの一般的な花芽分化開始期に一致した.これらの結果はIAAがリンゴの花芽形成に関連する可能性を示唆する.