園芸学会雑誌
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水ストレスが成熟期のウンシュウミカン果実の各部位の可溶性固形物と酸含量に及ぼす影響
文 斗敬水谷 房雄
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2002 年 71 巻 1 号 p. 1-7

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抄録
'興津早生'ウンシュウミカン樹に水ストレスを与え, 成熟期の果実の各部位の可溶性固形物含量(SSC)と酸含量に及ぼす影響を調べた.対照区の果実では横方向のSSCの差は成熟に伴って大きくなった.また, 酸含量の差は横方向では果頂部で, 縦方向では果皮部で成熟に伴なって小さくなった.満開後140日から230日まで水ストレスを受けた果実のSSCは, 水ストレスを受けない果実に比べて12%-47%増加した.その際, 果梗部への影響が最も大きかった.一方, 満開後190日から230日までの水ストレスによって, 酸含量は赤道部の果心部では対照区にくらべて11-17%高くなり, 逆に果皮部では4-13%低くなった.以上の結果より, 水ストレスによって, 果実の全部位のSSCは増加するが, 酸含量は部位によって増加したり, 減少したりすることが明らかとなった.
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