園芸学会雑誌
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有孔および無孔ポリエチレン包装によるハウス栽培'刀根早生'果実の軟化抑制技術の確立
播磨 真志中野 龍平山内 勧北野 欣信久保 康隆稲葉 昭次富田 栄一
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2002 年 71 巻 2 号 p. 284-291

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抄録
有孔ポリ包装によるハウス栽培'刀根早生'果実のCTSD法による脱渋処理後の軟化抑制技術の実用化を目的として, 有孔と密封包装の比較を行うとともに, 有孔包装の適正な開孔率と包装による蒸散抑制が必要な工程および期間について検討した.1. 無包装果実では, 収穫後エチレン生成の増加に伴い多数の軟化果実が発生した.有孔, 密封のいずれの包装区でもエチレン生成および軟化果実の発生が抑制された.その抑制効果は, 有孔ポリ袋区よりも密封区で, 密封区でもポリ袋の厚さが厚いほど大きかった.2. 包装後, 果実の脱渋進行は, 有孔区や針孔区では無包装区と同様に脱渋処理後3日にほぼ完了していたが, 密封区では脱渋処理後7日でも渋味が残存した.3. 収穫後6時間以上無包装期間があると, 有孔ポリ包装による軟化抑制効果を著しく損なうことから, 収穫直後から消費に至るまで一貫したポリ包装の実施が推奨される.
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