抄録
'水晶ブンタン'(Citrus grandis [L.] Osbeck)果実を, 72時間暗黒条件下で, 0, 20, 40ppmの各濃度でエチレン処理した.処理後, '水晶ブンタン'果実のカラーリングと二次代謝成分(ナリンギンおよび香気成分組成)について調査した.その結果, 無処理区と比較して, エチレン処理(20, 40ppm)した果実において脱緑の促進がみられた.また, 果実の二次代謝成分の分析の結果, 果肉のナリンギン含量と果皮の冷圧油(CPO)の香気成分組成は, エチレン処理の有無および貯蔵期間に関わらず, 大きな変動がみられなかった.以上の結果より, '水晶ブンタン'のエチレン処理(20, 40ppm, 72時間)はカラーリングによる計画出荷において有効であることを示した.