抄録
加温ウンシュウミカンにおける高温およびエチレン生合成阻害剤であるアミノエトキシビニルグリシン(AVG)処理の効果を, 人工気象器内で栽培した鉢植え6年生樹および温室内で栽培した14年生成木を用いて調査した.開花から生理落果期にわたって高温条件下(日中30℃)で栽培すると, 慣行の管理温度(同25℃)での栽培と比較して著しく多い生理落果が発生した.開花始期の200 ppm AVG処理は, 花および幼果からのエチレン生成量を減少させ, 高温条件下で栽培した樹の着果を改善した.収穫果のいくつかの形質から判断して, 高温は慣行法の管理温度に比べて果実の生長および成熟の進行を早めるものと考えられる.よって, AVG処理は果実の生長促進をもたらす高温下での着果保全に有効である.