園芸学会雑誌
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リンゴ台木'マルバカイドウ長野No.1'におけるAgrobacterium rhizogenesにより形成された毛状根からの植物体再分化
山下 裕之大門 弘幸赤坂-ケネディ 庸子増田 哲男
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2004 年 73 巻 6 号 p. 505-510

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抄録

試験管内で増殖しているリンゴ台木品種'マルバカイドウ長野No.1' (Mains prunifolia Borkh. var. ringo Asamistrain Nagano N0. 1)にRiプラスミドを保有するAgrobacterium rhizogenes MAFF-02-10265株,MAFF-02-10266株,MAFF-03-01274株およびMAFF-03-012725株を有針接種した.毛状根はMAFF-02-10265株およびMAFF-02-10266株を接種した植物体から得られたが,その形成率は2.0%と非常に低かった.MAFF-02-10265株を有針接種して毛状植が形成された幼植物を5.0mg・liter-1 6-ベンジルアデニン,0.1mg・liter-1インドール酪酸,0.1mg・liter-1ジベレリンA3を添加したMS培地に移植し,毛状根から不定芽を形成させて再分化個体を得た.それを用いてオパイン分析およびPCR分析を行った結果,形質転換体であることが確認された.得られた植物体はin vitroで旺盛な発根を示し,さらに順化個体は,分枝が旺盛で葉が小型化し,節間か詰まりわい化した.

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