2004 年 73 巻 6 号 p. 558-567
汁液接種によるメロン品種・系統のMNSV抵抗性検定を行い,それらのMNSV抵抗性の遺伝に関する解析を試みた.802品種・系統を用いてMNSV-NHを子葉に接種した結果,接種葉に局部病斑が認められない45品種・系統を得た.これらの45品種・系統に他の2分離株のMNSVを接種したところ,それぞれの接種葉には局部病斑は認められなかったことから,これらの45品種・系統はMNSVに対して安定した抵抗性を保有しているものと考えられた.本研究で得られた新たに見いだした抵抗性45品種・系統と罹病性'夏系6号'とのF1にMNSV-NHを接種したところ,罹病性であったことから,これらの品種・系統のMNSVに対する抵抗性は劣性遺伝することが明らかになった.一方,抵抗性'Perlita'とのF1にMNSV-NHを接種したところ,接種葉に病斑は認められず,抵抗性を示した.これらの結果から,新たに見いだした抵抗性品種・系統のMNSVに対する抵抗性は'Perlita'と同様に劣性であり,また,同様な遺伝子座である可能性が示唆された.