園芸学会雑誌
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ウニコナゾール,ブラッシングとAVG処理がキクのエチレン生成と内生ジベレリン含量に及ぼす影響
鄭 成淑金 国光大野 始原 徹夫松井 鋳一郎
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2004 年 73 巻 6 号 p. 568-573

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抄録

キク(Dendranthema grandiflora (Ramat.) Kitam.)の挿し芽苗を用いて定植1か月後に25ppmウニコナゾール処理を行った.処理後直ちにエチレン生成が増大し,処理3日後に最大になった.ブラッシング処理区のエチレン生成はウニコナゾール処理区より多く,処理3日後に最大値を示した.しかし,AVG処理区でのエチレン生成は最も低い値であり,また,AVG処理により,ウニコナゾールとブラッシングによるエチレン生成の増大は著しく抑制された.対照区ではGA1,GA3およびGA7様物質が検出され,GA1およびGA3様物質はウニコナゾールおよびブラッシング処理区では著しく減少したが,AVG単独処理区では大きな変動は認められかった.さらに,AVG処理によってもウニコナゾールとブラッシングによるGA1およびGA3様物質含量の低下は回復しなかった.これらの結果から,ウニコナゾールとブラッシングによるキクのわい化はジベレリンおよびエチレンの両方に関係があることが示された.

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