抄録
リンゴの場内フローラ改善効果のメカニズムを解明するために,リンゴペクチンの特徴であるアラビナンに由来するアラビノオリゴ糖の場内細菌による資化性をin vitroで調べた.三糖以上のアラビノオリゴ糖は,調査した26菌種のうちBifdobacterium adolescentis, Bifidobacterium longum, Bacteroides vulgatuにこのみ資化され,ビフィズス菌に極めて特異的利用されることが明らかとなった.アラビノオリゴ糖のヒト消化液による分解性をin vitroで調べたところ,人工唾液,人工胃液,人工膵液には全く分解されず,人工小腸故により数%分解されただけであった.以上のことからアラビノオリゴ糖は効果の高い新規のプレバイオティックスであること,リンゴの腸内フローラ改善効果はペクチンによることが示唆された.