2005 年 18 巻 5 号 p. 531-538
2003年度より全国共同利用センターとして水の安定同位体組成に関する共同研究を開始し,多様な水試料の水素及び酸素安定同位体組成を現在まで行っている.極域から熱帯域,また海洋から大陸内部まで広域に採取された海水,土壌水,河川水,降水,降雪,氷,水蒸気等の多様な水試料を長期間にわたって高い精度・確度を維持しながら分析を行うために,専従の運営委員会を設置し,測定前後の試料管理,質量分析計の管理,分析結果の質的管理を含めて総合的に管理運営するシステムを構築した.2003年以降約1年半にわたる標準水の測定結果によれば,水素及び酸素同位体組成についてそれぞれ0.5‰,0.03‰の再現性を保っていることがわかった.