水文・水資源学会誌
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研究ノート
四万十川源流部の森林における大雨時の渓流水のNO3-N濃度変動
篠宮 佳樹山田 毅吉永 秀一郎鳥居 厚志
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キーワード: 森林, 源流域, 硝酸態窒素, 豪雨
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2006 年 19 巻 1 号 p. 55-60

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抄録
四万十川流域の森林から流出するNO3-N負荷量を評価するため,高知県梼原町のモミ・ツガ天然林流域において,渓流水の流量及び水質を同時連続観測し,降雨流出時におけるNO3-N濃度の変動について検討した.調査は総雨量35~289mmの5つの降雨イベントで行った.降雨イベント前後のNO3-N濃度変化は降雨規模により異なった.総雨量100mmまででは,降雨イベント後のNO3-N濃度は降雨前と概ね同じ濃度に戻った.総雨量150mm以上では,降雨イベント後のNO3-N濃度は降雨前の濃度より大きく低下した.NO3-N洪水流出負荷量は降雨量とともに増加傾向を示したが,総雨量が150mm以上の大雨になると増加率が低下する可能性が示された.
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© 2006 Japan Society of Hydrology and Water Resources
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