四万十川流域の森林から流出するNO
3-N負荷量を評価するため,高知県梼原町のモミ・ツガ天然林流域において,渓流水の流量及び水質を同時連続観測し,降雨流出時におけるNO
3-N濃度の変動について検討した.調査は総雨量35~289mmの5つの降雨イベントで行った.降雨イベント前後のNO
3-N濃度変化は降雨規模により異なった.総雨量100mmまででは,降雨イベント後のNO
3-N濃度は降雨前と概ね同じ濃度に戻った.総雨量150mm以上では,降雨イベント後のNO
3-N濃度は降雨前の濃度より大きく低下した.NO
3-N洪水流出負荷量は降雨量とともに増加傾向を示したが,総雨量が150mm以上の大雨になると増加率が低下する可能性が示された.
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