水文・水資源学会誌
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国連の水問題に関する取り組みの成功諸要因についての考察
-国連世界水アセスメント計画(WWAP)とグローバル国際水域評価(GIWA)との比較-
今村 能之
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2007 年 20 巻 5 号 p. 400-408

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抄録

2002年の持続可能な開発に関する世界首脳会議,2003年の第3回世界水フォーラム,国連総会の決議に基づく国際淡水年(2003年)や「国際行動の10年:生命のための水(2005-2015年)」,フランス・エビアンでの主要国首脳会議(2003年)などにより,水問題に対する国際的な認識が高まっている.このような状況の中,日本の主導により2000年8月に設立された世界水アセスメント計画(WWAP)は,水に関する史上初の国連システム全体の取り組みとして,先進国,途上国の双方から高い評価を受けながら発展を続けている.ほぼ同じ時期に開始された国連環境計画(UNEP)主導のグローバル国際水域評価(GIWA)と比較を行い,WWAPのような国連の水問題に関する取り組みの成功の要因として(1)政治的リーダーシップ,(2)多国参加型の推進体制,(3)国連システム全体による推進体制,(4)政府主体の実施,(5)効果的な広報戦略が重要であることわかった.

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© 2007 Japan Society of Hydrology and Water Resources
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