2010 年 23 巻 3 号 p. 201-215
近年,世界各地で津波や洪水といった水災害の発生が報告されており,それらの被害軽減策や予測精度の向上が求められている.一方,観測データの蓄積や計算機性能の向上が今後も進むことを考えると,利用可能なデータを有効に利用すべき段階に来ていると思われる.そこで本研究では,過去の観測データを蓄積した事例ベース型推論モデルを利用して洪水予測を行うことを提案するものである.加えて,洪水時の流況としての予測精度を上げるため,洪水と非洪水の分離,および,ローカルリニアモデルの導入を図るものである.