2018 年 31 巻 1 号 p. 33-41
2014年に発足した水関連の若手研究者コミュニティ(Water-Associated Communitytoward Collaborative Achievements, WACCA)では,毎回異なるテーマを設定し,若手研究者間の交流・共同研究の場を提供することを目的に討論会や現地見学会を実施してきた. 本稿では第7回目となるWACCA07の活動を報告する.WACCA07では研究手法に着目した討論会および現場見学会を実施した.現地見学会では,広島市を流れる太田川放水路での底泥採取を見学,体験した.
討論会では,参加者による自由な議論の結果,研究分野の特徴の違いを研究手法という切り口から理解することができ,また現実の研究生活の中での研究手法の選択について,その流れや歴史的な経緯などについて議論することができた.現地見学会では,広島市を流れる太田川放水路での底質採取の見学・体験をとおして,多くの参加者が対象とする空間スケールに比べて非常に小さい空間スケールでの観測値の空間変動性を体感することができた.また,観測後の室内実験や解析に耐えうる試料を採取することの難しさも実感した.