水文・水資源学会誌
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原著論文
大阪市における内水氾濫頻発区域の分布とその特性
中口 幸太小森 大輔井上 亮風間 聡
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2018 年 31 巻 1 号 p. 9-16

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抄録

 大阪府大阪市を対象として過去の浸水実績から内水氾濫の特性を解明することを目的とした.過去20年間の浸水実績を記録した水害区域図をGISデータベース化し,内水氾濫が過去複数回発生している“内水氾濫頻発区域”を抽出した.次に,“内水氾濫頻発区域”のもつ特性を解析した.解析の結果,地形的に集水が容易な“窪地”では優先的に下水道の整備が行われており,抽出された内水氾濫頻発区域は“窪地”よりも“平地”に分布する傾向があることが明らかとなった.さらに,内水氾濫頻発区域の特性として,周囲よりも傾斜,標高が小さい地点に分布する傾向があること,道路や鉄道などの地表面流及び下水道を分断する構造物付近に分布する傾向があること,付近に小・中学校が位置しているケースが多いことが定量的に示された.

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© 2018 Japan Society of Hydrology and Water Resources
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