ザンビア中部のチネナ村において,灌漑や生活用水のために掘られた浅井戸の地下水を採取・分析した.当村には季節的に浸水する浅い線状の凹地であるダンボが4カ所ある.ダンボ地域の地下水の一部は,肥料や農薬によって汚染されている.台地上の地下水は流下に伴い蒸発しており,地下水の酸素同位体組成は上流より下流で重くなる.さらに,流下に伴う土壌とのイオン交換によって,地下水の陽イオン組成が変化する.上流ではアルカリ土類金属が優占するが,下流ではNa+が優占する.地下水中のNa+濃度とCl-濃度の相関が良く,HCO-3濃度とMg2+,Ca2+濃度との相関が良い.このことから,NaCl型とMgCO3,CaCO3型の地下水が存在すると考えられる.