1998 年 11 巻 5 号 p. 492-497
松山・福岡・前橋における約100年の年降水量の水文統計学的な性格を調査するために,正規分布,対数正規分布, 3母数対数正規分布及びその改良型を適用した結果を述べたものである.また,期待値のプロッテイングポジション決定のため, Thomas plotのほかHazen plotもあわせて適用したものである.この結果,年降水量の確率分布は,正規分布<対数正規分布<3母数対数正規分布<改良型3母数対数正規分布の順に適合性が良いことが示された.また,多くの場合, Thomas plotよりもHazen plotの方が適合性が良いことも明らかになった.しかし,一部の流域では,年降水量のように長期間の降水量を対象とする限り,正規分布でもかなり良い適合性の分布を示すことも示された.