水文・水資源学会誌
Online ISSN : 1349-2853
Print ISSN : 0915-1389
ISSN-L : 0915-1389
樹冠遮断量の観測とモデル計算との比較
村上 茂樹坪山 良夫細田 育広志水 俊夫
著者情報
ジャーナル フリー

1996 年 9 巻 1 号 p. 31-37

詳細
抄録

茨城県北部の常陸太田試験地のヒノキ林で樹冠遮断量を観測した.この結果をPenman-Monteith式に基づくモデル(P-Mモデル)と熱収支モデル(近藤ら,1992a)の2つのモデルによる計算値と比較した.モデル計算には現場の露場気象データを使った.1993年の年間樹冠遮断量は観測値では240mm,P-Mモデルでは221mm となりP-Mモデルは樹冠遮断量をほぼ再現できた.一方,熱収支モデルでは計算値が132mm と小さくなった.これは熱収支モデルで顕熱のバルク係数CHが小さく見積もられているためと考えられる.

著者関連情報
© 水文・水資源学会
前の記事 次の記事
feedback
Top