茨城県北部の常陸太田試験地のヒノキ林で樹冠遮断量を観測した.この結果をPenman-Monteith式に基づくモデル(P-Mモデル)と熱収支モデル(近藤ら,1992a)の2つのモデルによる計算値と比較した.モデル計算には現場の露場気象データを使った.1993年の年間樹冠遮断量は観測値では240mm,P-Mモデルでは221mm となりP-Mモデルは樹冠遮断量をほぼ再現できた.一方,熱収支モデルでは計算値が132mm と小さくなった.これは熱収支モデルで顕熱のバルク係数CHが小さく見積もられているためと考えられる.