日本耳鼻咽喉科感染症・エアロゾル学会会誌
Online ISSN : 2434-1932
Print ISSN : 2188-0077
特集:第6回学会感染症シンポジウム「多職種で挑む致死性感染症」
悪性外耳道炎(頭蓋底骨髄炎)
高橋 邦行
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2019 年 7 巻 2 号 p. 63-68

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抄録

悪性外耳道炎とは,壊死性外耳道炎,高齢糖尿病患者,緑膿菌感染を3徴とする難治性感染症として知られていた.現在では細菌感染が側頭骨を中心に周囲に拡大,さまざまな脳神経症状を呈し,致死的となることから,頭蓋底骨髄炎と呼ばれる.

本疾患の症状は強い頭痛が多く,CRP値などの炎症反応が高くなりにくいことに注意する.他疾患との鑑別が重要であり,悪性腫瘍,結核性中耳炎,ANCA関連血管炎性中耳炎は常に念頭におく.画像所見では骨条件CTで皮質骨の連続性の破綻,MRI T1強調画像で骨内部の低信号化が特徴に挙げられる.治療は6~8週程度の抗菌薬静脈投与を基本とするが,さらに長期の抗菌薬投与も行われる.本疾患は高齢者に多く発症することから,全身状態を考慮した抗菌薬の選択や,長期入院加療による日常生活動作,認知機能の低下にも注意が必要であり,薬剤師,看護師,理学療法士,ソーシャルワーカーなどとの連携も重要である.

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© 2019 日本耳鼻咽喉科感染症・エアロゾル学会
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