2019 年 7 巻 2 号 p. 88-91
症例は73歳女性.咽頭痛を主訴に近医内科を受診し,扁桃炎の診断の下,経口抗菌薬の処方を受けた.咽頭痛は改善されたが含み声と開口障害が出現し,扁桃周囲膿瘍が示唆されたため当院紹介受診となった.所見上,扁桃周囲膿瘍は認められず,経鼻内視鏡で左中咽頭側壁から後壁にかけて著明な浮腫を認め,気道狭窄を呈していた.造影CTで左扁桃周囲から咽後部にかけて辺縁が造影される膿瘍の所見を認めた.全身麻酔下に膿瘍開放術を施行.咽頭左側壁の腫大のためビデオ喉頭鏡下単独での挿管はできず,撓性気管枝鏡を併用し挿管した.腫脹した左咽頭側壁を切開したところ多量の黄色膿汁の貯留が認められた.膿瘍を除去し生理食塩水で洗浄後,ネーザルエアウェイを留置した.術後経過は良好で術後8日目に退院となった.咽頭側索の腫脹は経口腔的観察では見逃されやすいと考えられる.気道狭窄の早期診断のために経鼻内視鏡での観察は必須と考えられた.