我々がこれまで沖縄県宮古島市を中心に行っている,バイオマス利用に関する実証研究プロジェクトの概要と成果の利活用に関して紹介する。プロジェクト研究では,島内の主要なバイオマスであるバガス(サトウキビの絞りかす)と肉牛ふんを主対象に,4種類の変換施設を導入し,持続的農業と環境保全を両立させるよう方策を検討している。特に,変換したバイオマスは農地還元を主体に考え,島内の唯一の水資源である地下水を保全するためのさまざまな技術開発に努めている。また,実証研究であるために,行政組織とも緊密な連携を取りながら課題を遂行している。