いなみ野台地では,新田開発と水利の歴史を背景として,明治,大正年代に開かれた淡山疏水と国営事業による東播用水が一体となった,新しく広域な水利ネットワークが形成されている。水源となっているダムを管理する国営直轄管理事業(加古川水系広域農業水利施設総合管理事業)や頭首工と幹支線水路は,東播用水土地改良区が管理し,末端のため池はそのため池の水利組合が管理するという,分担連携管理体制の特徴をもっている。ここでは,東播磨地域に根付いたこの2大疏水を適正に管理するための,東播用水土地改良区における用水管理と施設管理の手法と組織について紹介する。