農業農村工学会誌
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Print ISSN : 1882-2770
 
棚田復旧と景観保全
有田 博之
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2012 年 80 巻 5 号 p. 363-367,a2

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抄録

東日本大地震に誘発された長野県北部地震(2011年3月12日)によって,新潟県十日町市松代地区の「清水(しみず)の棚田」は崩壊した。棚田(区画数:28,圃場面積:1.8ha)は幅100m,長さ500mの地すべり発生地盤上に拓かれていたため,ほぼ全圃場が被災した。清水の棚田には愛好家が多く,復旧においては景観配慮が求められた。筆者らは県の意向を受けて筆者らが開発した道路抜き工法型等高線区画による復旧計画原案を作成し,地元の地権者,市・県の行政担当者,有識者(景観研究者,環境保護・地域振興NPO代表など)との検討会に臨んだ。このときの議論を踏まえ,景観保護・保全対策における農地形態の選択についての考え方を提案する。

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© 2012 公益社団法人 農業農村工学会
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