近年のICT技術の発展とともに開発が進んだ低コストの遠隔観測技術は,農業農村工学分野でも,導入が加速的に進む可能性がある。筆者らは,これを利用して東日本大震災への対応や農業水利事業の実施地区での調査において,濁度や水位などの観測を実施してきた。本報では,まず,観測事例を踏まえて,遠隔監視と濁度を中心とする水質水文観測における問題点と課題の整理を行った。水管理の実務において利用を進めるためには,機器の高耐久化や維持管理の容易化,ソフトウェアの改良,機材費などの低減などが必要であることがわかった。次に,遠隔観測システムの活用方向の一つとして,循環灌漑整備地区への活用の可能性について例示した。