平野部水田地帯の「都市農業」の保全・活性化のための農地利用・整備計画について論じた。日本の平野部の都市の多くは,広大な水田地帯で囲まれているため,今後,耕作放棄を防止して農地および良好な生活環境を保全するためには,土地利用型農業でかつ採算のとれる大規模稲作経営を中核とした,多様な農業を行ってゆく必要があること,単位農業経営規模(経営面積/専従作業員数),作目,灌漑排水施設の要否といった属性の異なる農業経営体の単位耕作地群を,ジグソーパズルのピースをはめ込むような方式でゾーニングを行った上で,適切な整備をする必要があること,耕作地調整によってこうしたゾーン分けは実現可能であることなどを,国内外の先駆的事例を参照して論述した。