自然の中で子育てをしたいという欲求が森のようちえんを通して具現化されている。森のようちえんが中山間地域に開設されれば,自然の中で子育てをしたいという都市住民の欲求が満たされるだけでなく,場に集う地域住民との交流が進むと期待される。また,中山間地域で利用者数が確保できず閉鎖される保育所・幼稚園・小学校,さらには利用頻度が減少している集会所などの生活環境施設の有効利用として,森のようちえんは可能性を秘めている。本報では,2014年4~12月の調査に基づき,中山間地域の小千谷市東山地区で閉鎖保育所を利用して開設された里山子育てひろば「木のこん」の取組みを通して,中山間地域の空き施設を里山子育てひろばとして再生するための提案を行う。