本報では,「東京農業大学・東日本支援プロジェクト」およびその他のプロジェクトにおいて取り組まれた研究活動のうち,農業農村工学に関連する研究について報告するものである。震災直後の現地調査からは津波による堆積物が粒径の大小によって2種類に分けられ,それぞれの粒子の密度や有機物含有量が異なることを明らかにした。続いて,除塩を想定して,海水のみが浸入した水田において畝立ての効果を検討したところ,20cm程度の畝立てで耐塩性のある畑作物の栽培が可能になることが示された。また,車両搭載型レーザー計測装置(MMS)を用いて,被災地の3次元デジタル地図を取得し現場での利用を検討したところ,得られた地図データによって復興計画の合理化が進む可能性が示された。