東北地方太平洋沖地震に関する被災資料の収集・分析は,今後想定される大規模地震の想定被害,耐震計画および耐震設計に大いに役立つことから,被災した2,619カ所の農業施設(道路,堤防を除く)の情報収集(被災施設,位置,被災状況写真など)と蓄積を行った。このうち,多くが津波被害として整理されている用排水機場について地震動での被害状況の分析結果について報告するものである。その結果は,地震後の点検など今後の施設管理においては,これまでの震度階からSI値に基づく検討・管理が有効であること,後背湿地に建つ機場ではSI値がおおむね50以上を記録した場合,ポンプの稼働に障害が生じるような重大なダメージを被る可能性が高いことなどの分析結果が得られた。
抄録全体を表示