農業農村工学会誌
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水草の繁茂が湖沼・ため池の水質に及ぼす影響
原田 茂樹佐藤 清也越川 海
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キーワード: COD, TOC, 水草, ヒシ, 色素
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2018 年 86 巻 8 号 p. 691-694,a1

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抄録

水草の繁茂が水質管理上の課題となっている湖沼が多い。本研究では仙台市のため池において,ヒシの繁茂・衰退の期間を含む約1年間,COD,TOC,透視度,水温,クロロフィルα,フェオ色素などの変動をモニタリングした。CODとTOCの変動は,ヒシ衰退時の増加,および雨水流入時の希釈の影響を受けていた。ヒシ衰退から5カ月経過後,CODとTOCはヒシ衰退前の値に戻るが,ヒシの草体破砕物は底質に沈降し存在し続けている可能性がある。水質管理のためには,ヒシ衰退前に刈り取りため池外に移送することが望ましい。浮遊生態系によるCODとTOCの供給,および細菌によるCODとTOCの消費の評価が今後の課題である。

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© 2018 公益社団法人 農業農村工学会
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