水草の繁茂が水質管理上の課題となっている湖沼が多い。本研究では仙台市のため池において,ヒシの繁茂・衰退の期間を含む約1年間,COD,TOC,透視度,水温,クロロフィルα,フェオ色素などの変動をモニタリングした。CODとTOCの変動は,ヒシ衰退時の増加,および雨水流入時の希釈の影響を受けていた。ヒシ衰退から5カ月経過後,CODとTOCはヒシ衰退前の値に戻るが,ヒシの草体破砕物は底質に沈降し存在し続けている可能性がある。水質管理のためには,ヒシ衰退前に刈り取りため池外に移送することが望ましい。浮遊生態系によるCODとTOCの供給,および細菌によるCODとTOCの消費の評価が今後の課題である。