富山県は耕地面積に占める水田の割合が高く,古くから基盤整備を推進してきたことから,農業用水路が農村の隅々にまで張り巡らされており,農業生産に必要不可欠であるばかりでなく,地域住民にとっても身近な生活環境となっている。その一方で,農業用水路における転落死亡事故が多く発生していることから,有識者による「富山県農業用水路事故防止対策推進会議」を設置し,ソフト・ハード両面から事故防止対策について総合的な検討を進め,先般,「富山県農業用水路安全対策ガイドライン」を策定した。今後,ガイドラインに沿って,行政,関係団体や地域組織等が連携した安全対策を進めることとしており,その概要について報告する。