農業農村工学会誌
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適時な更新事業に向けた土地改良区の意思決定方法への提言
鬼丸 竜治
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2020 年 88 巻 11 号 p. 915-918,a2

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抄録

大規模・小規模経営の組合員に二極分化した土地改良区で水利施設の更新事業を目指す場合,従来の一人一票では,人数の多い小規模組合員の意見が反映されやすい。ところが,彼らには更新事業を延期させようとするインセンティブが働く余地があると言われている。そこで,適時な更新事業に向けた意思決定方法を,先行研究の知見をもとに分析した。その結果,①大規模組合員の意見を適切に反映させるため,議決権数や選挙権数の決定方法を,面積要件を付加する方法に変更する,②その際,不平等感に起因する組合員の労力・費用負担意欲の低下を防ぐため,「農地面積を換算した議決(選挙)権数の総和」と「組合員数を換算した議決(選挙)権数の総和」を等しくすることを示した。

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© 2020 公益社団法人 農業農村工学会
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