多様な主体が住み続けられる農村社会構築において,主体がもつ多様なニーズの把握が必須である。宮城県丸森町が実施した中高生,一般町民,職員に対する41の指標に対する重要度と満足度の調査から,主体のニーズの多様さが明らかとなった。そのような多様なニーズをくみ取るため,キャッチフレーズを用いた「住みたい町指標セット」を試作しWebアンケートを行った。主体が違うと因子構造にも違いが見られた。この指標セットは大学生によるブレーンストーミングを通じて試作したものだが,既往文献にある解析や丸森町で進行している冬期湛水水田の取組み事例と照らし合わせることにより,指標セットが多様なニーズをくみ取り農村振興を推進する可能性が示唆された。