奈良県の中山間地域である五條吉野地域では,造成団地を利用した灌漑による大規模なカキ栽培が行われているが,近年は気候変動による収穫の不安定化や少子高齢化による人員不足が問題となっている。筆者らは,農研機構の「スマート農業技術の開発・実証プロジェクト」の一事業として,当地域において,AIを活用したカキ栽培管理システムの構築による,省力化および収穫の安定化に取り組んでいる。本報では,XGBoostを用いた環境要因の収穫への影響分析や,YOLO V5の画像判定による経時的成熟度の取得などの成果について報告する。今後は,事業地で収集している各種データを蓄積してAIの学習量を増やし,完成度の高い栽培管理システムの実現を目指す。