富山県内における農業用水路への転落死亡事故は,近年,年間20件程度で推移し,なかでも65歳以上の高齢者が約8割を占めている。このような状況を踏まえ富山県では,令和元年に転落事故防止対策を「富山県農業用水路安全対策ガイドライン」として策定するに当たり,労働災害の防止等で広く用いられているヒヤリハット活動を活用し,県内約2,000人を対象に軽度の転落事故や無傷害のヒヤリ,ハッとした事例等についてアンケートを通じて把握・分析を行った。転落に至る行動やきっかけなどの原因,高齢者の転落事故に対する意識を踏まえ,地域における安全啓発・安全点検,高齢者に対するリスクコミュニケーションに活用できることを指摘した。