富山県では平成21年度から30年度までの10年間で184件の農業用水路への転落死亡事故が発生している。こうした用水路転落事故の発生実態解明を進めるため,一般住民向け郵送アンケート調査と転落事故発生用水路の現場調査を実施した。この結果,農業関連作業中の転落に加え,居住地の周辺で歩行中や自転車走行中に足を滑らせたり体勢を崩したりしたことを契機に転落しているケースが多いことが明らかになった。また,流速が1.0m/sを超える水路では転落が死亡事故につながる危険性が高いことも示された。さらにこれらの結果を踏まえ,地形データ等に基づき優先的に対策を進める地域を絞り込むための検討を行った。