特定外来生物カワヒバリガイは,開水路系に侵入すると足糸という繊維状分泌物で側壁や底面に付着し,集団化して通水断面を縮小させるほか機場等のスクリーンや管路部における通水障害,死貝による給水栓の閉塞等を引き起こす。また,通水停止後には斃死して悪臭をもたらすなど施設管理者はその除去や除去物の処理に苦慮している。このとき特定外来生物のため現地外への運搬には死滅している必要があり,除去後の生死の状態に関する知見は処理や活用を検討する上で重要である。そこで筆者らは被害の生じている開水路系2地区で,除去作業の実際,作業後の死滅を調査してきた。本報では調査を通してみえてきた今後に向けての課題について報告する。