わが国のバ低オマス循環は, 食料・飼料の大量輸入や人口の都市集中により多大な物質移動が行われており, また畜産の大規模主産地化に伴う排せつ物の偏在と耕畜分離のため有機物の循環不全となり, 環境負荷の増大による水質汚染等の環境問題が発生してきている。このため地域における物質循環の健全性の診断を行い, 適切な循環利用システムを確立してバ低オマスタウンの構築を推進する必要がある。本報は, 首都圏の “水がめ” である群馬県全域の窒素循環の診断を行って, 循環の適正化への改善策を提案するとともに, 特に循環不全に陥っている前橋地域について, その解決策を具体的に検討してバイオマス総合利用モデルを提案したものである