埋設管の地震被害の特徴としては,(1) 管路の抜け出しや圧縮破壊,(2) 構造物周辺での抜け出し,(3) 周辺地盤の液状化による管路の浮上が挙げられる。一方,「耐震設計の手引き」(農林水産省, 2003) では応答変位法によって管路の安全性を照査することとしているが, 解析で得られる管路の挙動から被害の実態を予測することは困難である。本報では, まず地震によって被害を受けた管路の実態を分析し, 管路の地震時挙動を整理して被害実態から管路のウィークポイントを明らかにするとともに, 現状の耐震設計の限界についても論述する。最後に管路の耐震性を向上するための具体的な手法を提示する。