2018 年 14 巻 2 号 p. 2_41-2_48
本研究は,経済産業省が実施する委託研究開発プロジェクトに日本版バイ・ドール制度を適用する効果を検証することを目的とする.そのために,同制度の適用下で取得された特許権の活用割合と,同制度の非適用下で取得された特許権,すなわち国有特許権の活用割合を比較した.そして,同制度の適用下で取得された特許権の活用割合は国有特許権の活用割合より高くなるとの結果を得た.以上から,経済産業省が実施する委託研究開発プロジェクトにおいて,同制度は当初の制度設計通りの機能を果たしていることを明らかにした.