2021 年 18 巻 1 号 p. 1_42-1_48
近年,キャリア教育は,従前の「勤労観・職業観を育てる教育」から一歩進んで,「社会的・職業的自立に向け,必要な基盤となる能力や態度を育てる教育」に深まりつつある.その実現のためには,「地域が学校のパートナーとして子どもの教育に関わる」という,地域を主語とすることに表されるより積極的な学校への関わりが求められている.
本稿では,弊社の教育支援事業で得られた知見をもとに,地域及び企業が,学校教育にキャリア教育として関わる手法の要点を整理した.従前の単発的なセミナーや出前授業から,より深化した通年的な地域課題解決型PBLの指導支援のあり方を示した.併せて教育効果や知財創造教育への展開を示すとともに,地域や企業側にそれらが還元されうる点も明らかにした.