2025 年 21 巻 2 号 p. 2_25-2_34
本稿では,知的財産に関するアニメ教材やミュージックビデオ(MV)を学生が主体的に制作する教育プログラムの実践事例をもとに,その成果と意義を考察する.知的財産は一般に難解な分野とされるが,専門家ではなく学生が視聴者目線で制作することで,より分かりやすいコンテンツが生まれる.制作過程においては,知識の整理や表現方法の検討を通じて,論理的思考力や実践的スキルの向上が期待できる.さらに,創作活動の楽しさを実感することで学びの持続性が向上し,成果物の社会実装によって学生は達成感を得られる.本稿では,複数の実践事例に基づき,学生主体のコンテンツ創作が知財教育において有効な手法となり得ることを示唆する.