2025 年 21 巻 2 号 p. 2_51-2_59
知的財産を教育の対象とするのであれば,知的財産制度が本当に社会に貢献する制度であるとする普遍的な意義を見出す必要がある.
本稿では,先ず,知的財産制度の社会経済的意義について,経済原理に基づき詳細に分析したフリッツ・マッハルブの研究と,人間社会における「権利」の意義に基づいて再考したロバート・マージェスの研究について検討し,次いで,本稿の著者は,21世紀に人間が突きつけられているサステナビリティの確立に向けて試みられている「新しい資本主義」と知的財産制度との関係についての理論的分析を行い,さらにJPOが実施している「I-Open Project」及び本学が実施している地域ブランディングプロジェクトの活動実績をとりあげて,論理の分析と実証の経験とを踏まえて,検討を行った.